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2023年9月29日。

パリのファッションウィーク、2024年春夏パリコレクションのある日。


私が、パリコレ鑑賞。

数か月前には、自分の人生にあるなんて想像だにしていなかった。


これは、突然、パリコレを見る機会に恵まれた私の、鑑賞レポート。



ショーを見た夜中、ふと目覚めた。

ことばが降りてきたのだ。


『パリコレとは人生だ。』



この場所には、皆、自分の人生をぶつけに来る。

みんな。


鑑賞するひとたちでさえも。

モデルさん、デザイナーさん、メディアさん、支えているいろんな人、

そういう人達の皆々と、同じ顔をしている。


「自分の生き方はこうだ」と、厳然として、居るのだ。

迷いなどないような顔をして。



私のお腹にどんと響いた。

モデルがランウェイを一歩一歩奥へと進むごとに、そこにいる全員の共鳴が。

ランウェイウォークって、人生の象徴なんだ、と。


宇宙の中から、この時間に、この場所に、集まってきた。

満月エネルギーが降りそそぐ、パリの重厚かつきらびやかなホテルの空間。

ひとりひとりが、それぞれ生き方を提示しに来ているのだ。


そう、分かったような気がした。



初めてのパリコレ鑑賞、興奮している私。


モデルさんの、ファッションの、細かいところを観察する余裕など、ない。

「私もこの時空間の一員」

その事実を受け取るだけで精いっぱい。


そうして、私も一緒になって共鳴していくほどに広がる、「自分の宇宙」が広がっていくような感覚。



ブランド、トレンド、歴史、・・・パリコレ知識などほとんどない私が、来てしまった。

ここで起きていることに目を見開くしか、ないではないか。

自分のありったけを全開にするだけが、この場に関わるための唯一の方法。


あんぐり。

本当に口を開いている。



初パリコレ鑑賞は、私の人生のターニングポイント。

すさまじいエネルギーを受け取った。

何かが起きないわけがない。


私はこの私で勝負するんだ。何を、かは分からないけれども。



私の手元には、片手を頭上に上げて撮った、ピンボケのビデオがたくさん残った。

でもいいのだ。

私が感じた、ものすごいエネルギー渦巻く場。

ビデオを見ると、生々しく蘇る。

つづく